「ランチのアッコちゃん」などで有名な女性作家、柚木麻子の本『奥様はクレイジーフルーツ』を読んでみました。表紙の半裸の女性イラストとタイトルから、もしかしたら…とは思っていましたが、この小説は、性にクレイジーになりつつある人妻の話です(笑)。レビューや感想が気になる人はチェック!ネタバレなしです。
文章の読みやすさ ★★★★★
キャラクターのよさ ★★
先を読みたくなる度 ★★★
スッキリ爽快度 ★★
エロ度 ★★★
この記事で紹介しているのは、この本です↓
この本のテーマは分かりやすい!「セックスレス夫婦」の問題
この本の主人公は、夫とセックスレスになりつつある妻の初美(30歳)。とにかくこの本のストーリー&テーマは分かりやすく、「セックスレスの夫婦の苦労と未来」を描いた小説です。
セックスレスっていうテーマって、普通に真正面から突き詰めると、かなり重くなるんですが、でも「奥様はクレイジーフルーツ」は、主人公の初美がからっと明るくさっぱりとしていて、あまり重たい気分にならずに読めるのがメリット。
主人公の初美と、男友達の羽生との会話を抜粋します。2人が今にも浮気しそうなシーン。
「羽生ちゃん、あんたにゃ、がっかりだよ。奥さん一筋かと思ってたのにさ!」
『奥様はクレイジーフルーツ』柚木麻子 より引用
「奥さん一筋だよ。でもさ、いいじゃん。ちょっとくらい。俺、奥さん以外の女を知らないんだもん。このまま、奥さんとの月に一度のセックスだけを楽しみにこの先何十年も生きていくかと思うと、時々気が遠くなりそうになるんだ。そういう風に思うことない?」
結婚生活が安定してきた夫婦ならだれでも思ってしまうことが、さらりと明るく書かれています。主人公の初美の口調やセリフが、まったく色っぽくなくて笑えます。
ちょっとAVコントっぽく進むストーリーがエロ度を下げている

主人公の初美は、夫との性生活がなくなり(夫にやんわりと拒否されて)、どんどん欲求不満になっていきます。そして身近にいる色んな男との妄想や浮気未遂を始めるのですが、女性側からの視点で描いているので、官能的シーンもあまりいやらしくないです。
シチュエーション的には、義弟とこたつに入ったり、マンションに暮らす浪人学生のおかずになったりと、「AVか」と思うようなシーンが多いのですが、けっこうギャグっぽく進んでいくので、どぎついエロシーンが苦手な人にも、わりと安心して読めます。
夫がこんなに濁った男の目をするのも、誘いめいた言葉を口にするのも、本当に久しぶりだ。
『奥様はクレイジーフルーツ』柚木麻子 より引用
このチャンスを死んでも逃すまい—。初美は小さなしゃもじを使って、正方形の海苔の上に酢飯を敷き詰める手を止めた。およそ一年ぶりのセックス。ひゃっほーい、と叫びたくなるのを堪えて立ち上がり、開け放した窓を閉めに行く。
後半にかけてじわじわと重くなって息苦しい
前半までは明るいコントのようなエロ小説風ですが、後半からじわじわと、夫婦の問題に近づいていきます。本当に著者の柚木麻子はセックスレスに悩んでいるのではないかと思わせるほど(既婚かは知らないけど)、心の揺れや気持ちの持って行きようなど、すごくリアル。
はっきり言って、セックスレス夫婦に悩んでいる妻にとっては、すごく息苦しい物語です(笑)。
ラストの終わり方も、ご都合主義でもなく、尻つぼみでもなく、かといってすっきり爽快なハッピーエンドでもなく、なんとも言えない感じが逆に現実的で「はあ…」となります。
文章自体は軽くてさくさく読めるので、読書が苦手な人にも読みやすいです。あとは好みの問題ですね↓
ちなみに、著者の柚木麻子の本で一番人気なのは「アッコちゃん」シリーズです↓




